その道を極めるということ

極(スペシャル)丼

うなぎのいとう(三重県津市)
総合評価:★★★☆☆
2009/5/1

 三重県津市は人口当たりの鰻屋密度日本一の鰻王国である。津のうなぎ徹底攻略ガイドマップ「うまっぷ」なるものが存在する。そのうまっぷのNo.18がこの「いとう」であるが・・・大型店・小奇麗な店が多いうまっぷの中で、このいとうは異色というか、はっきり言って"ディープ"な店なのである。

 鄙びた商店街のアーケード内に佇む、印刷屋と整体店の間に挟まれたとても小さな店だ。お昼ご飯時なのだが、店を開いているのか休みなのか、外からははっきりしない。
 思い切って中に入ると・・・いきなりテーブルの上に寝ている赤ちゃんのお出迎え。通称「おもろいネーチャン」のお子様の様だ。TVの取材では放送禁止コード連発で、編集でカットしまくったら使えるところが無くなり放送中止とか、様々な逸話があるお方らしい。
 店内には他に誰もいないぞ?でもなんかカウンターの裏からもぐもぐ聞こえる。「すみません!試作品の試食中でしたっ!」。お食事中だった様だ。

 メニューは丼・弁当・うな重の各バリエーションとなる。しかし、上丼→特丼→極(スペシャル)丼とな・・・並がないな。丼のお値段は最強の極丼でも1,900円とリーズナブルな設定だ。
 極丼のスペシャルたるところは、鰻を自分で選べるところ。おもむろにカウンター内へ通され、鰻を選ぶ。極丼は丸々1匹が丼に載るのだ。「白と黒の色の境目がはっきりしている鰻が旨い」とのことだが・・・「自分で持ってきて」と言われてもねぇ。
 ここはひとつ大将にお任せする。「自分でさばいてみる?」いやいや、それもお願い。

 おいしい鰻屋の法則は、(生きた鰻をさばくところからはじめるので)注文してから出てくるまで時間が掛かるのであるが、その間は鰻談義やさきほどのネーチャンの話などの大将の軽快なトークを聞きながらお待ちする。
 お店のディープさに反し、鰻の味は極めて真摯である。

 最初に出てくるのは肝焼き。焼き立てのぷりぷりとした大きな肝を頂く。絶妙な焼き加減で、とろける旨さだ。
 そしてこれが極丼。鰻がこれもかっ!と丼上にどかどかと積み重なって出てくる。もちろんご飯の中にも鰻が埋まっている。飯:鰻が1:1状態だ。

※肝吸いはインスタント。肝は焼いて食べてしまっているので入ってない。鰻に全パワーを掛け尽くしているので、どうでも良い扱いの様だ。ある意味、潔いと言えるかもしれぬ。
 鰻はと言うと・・・基本的に津の鰻は関西風で表面がパリパリとした食感なのであるが、ここの鰻はふっくらとしている。焼く途中で日本酒を吹き掛けるのがポイントか。無添加に拘るタレの味がまた絶妙な控え目さ加減で、鰻本来の味が際立つ。生臭さはまったくなく、川魚としての鰻の旨みを堪能させて頂いた。

 但し、リピートを重ねた結果、味に安定性が無い様な気がする。時間帯に因るものか?(時間によって火源が炭だったりガスだったり)
 「津のうなぎ屋さん食べ歩きスタンプラリー」なる用紙の一番目にいとうが。謎のスタンプだ。


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※評価
大盛り度 ★★★
価格 ★★★★★
★★★★
接客 ★★★
ファミリー度 ☆☆☆☆
リピート度 ★★★

※データ
店名:うなぎのいとう
住所:三重県津市丸之内1-3
電話番号:059-229-1790
営業時間:11:00〜19:00
定休:無休(元旦のみ)
駐車場:なし(斜め向かいの丸の内パークビルの駐車場を利用すると大将から100円キャッシュバックあり)


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